放射性壊変

・α壊変

  主として原子番号の大きい元素で起こる。

  原子核からα粒子(質量数4のHeの原子核が放出される。

  質量数が4つ、原子番号が2つ減少する。

 

 

・β−壊変

  中性子過剰核種で起こる。

  中性子→陽子に変化。その際に陰電子と反中性微子を放出する

    n →  p + e-  + 反中性微子(反ニュートリノ

  原子番号が1つ増加、質量数は変化しない。

 

 

・β+改変

  陽子過剰核種で起こる。

  陽子→中性子に変化。その際に陽電子と中性微子を放出する。

    p →  n + e−  + 中性微子(ニュートリノ

  原子番号が1つ減少、質量数は変化しない。

  放出された陽電子の消滅に伴い、消滅放射線が発生する。

 

 

・軌道電子捕獲(EC)

  陽子過剰核種で起こる。

  軌道電子を捕獲することで、陽子→中性子に変化。

    p + e−   →    n +  ν

  原子番号が1つ減少、質量数は変化しない。

 

  <ECのポイント>

    K軌道電子を捕獲する確率が最も高い。

    特性X線またはオージェ電子の放出を伴う。

    β+改変する核種の多くはECと競合する

 

 

γ線放射(核異性体転移および内部転換)

  核が励起状態にあるとき、余分なエネルギーをγ線として放出する・

  励起状態にある時間が比較的長い核種を核異性体と呼び、核異性体

  γ線を放出する現象を異性体(IT)と呼ぶ。

 

  励起状態にある原子核γ線を放出する代わりに、エネルギーを軌道電子に与え

  軌道電子を原子外へ放出する現象を内部転換(IC)と呼ぶ。

 

  原子番号、質量数は変化しない。

 

 

・自発核分裂

  ひとりでに核分裂を起こす核種がある。

  1つの核が、2つ高エネルギーの核分裂生成物、中性子β線γ線などに

  分裂する。

 

 

<放射性壊変まとめ>

 ・質量数が現象するもの

   →α壊変のみ

 ・原子番号が変更するもの

   増加→β−壊変のみ

   減少→β+壊変、軌道電子捕獲

 ・原子番号が変化しないもの

   →γ線放射、核異性体転移、内部転換

 ・壊変に伴って放出されるもの

   EC壊変→特性X線、オージェ電子

   β+壊変→消滅放射線の放出

 

 

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